寄与分を主張するための証拠には何がありますか?

相続についてのご質問

Q.寄与分を主張するための証拠には何がありますか?

1.寄与分とは

被相続人の財産の維持もしくは増加について特別の寄与をした共同相続人に,その寄与分を相続に反映させて,共同相続人間の平等を図る制度です。

2.寄与分を主張するための証拠

⑴  被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付をした場合

・被相続人の会社に勤務していた場合にはタイムカードなど

※ただし労務提供の十分な対価を受け取っていた場合には寄与分は認められません(寄与分については、無償であることを要するとして、給与をもらっている場合は寄与分が認められないとする見解も有力です)。

・被相続人の会社に出資・融資した際の領収書,通帳の写し,カード利用履歴

※通帳履歴やカード履歴の再発行は一定の期間分しかできない場合がありますので,手元で大切に保管しておくことが重要です。

⑵ 被相続人の療養看護をした場合

・被相続人のカルテ・診断書

・被相続人の要介護認定に関する書類(東京家庭裁判所では要介護2以上で同居して在宅介護した場合に寄与分が認められています。)

・ヘルパー作成の連絡ノート等

・療養看護者作成の日記(具体的な日時や行った療養看護の内容を記載したもの)

※被相続人の親族による介護は親族間の扶養協力義務の範囲内であるとして寄与分が認められないケースは多いです。しかし,認知症等により常時見守りが必要となった被相続人に献身的な介護を行ったとして1日あたり8000円の寄与分を認めた前例もあります(大阪家審平19.2.8)。

3.寄与分に関する民法の規定【民法904条の2】

共同相続人中に,被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付,被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは,被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし,第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

前項の協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,家庭裁判所は,同項に規定する寄与をした者の請求により,寄与の時期,方法及び程度,相続財産の額その他一切の事情を考慮して,寄与分を定める。

寄与分は,被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。

第二項の請求は,第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。
また,相続法改正により共同相続人以外の者についても要件を満たせば特別寄与料が認められることになりました(1050条)。

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この記事の執筆者

弁護士 藤井義継

弁護士 藤井義継

専門分野

相続・離婚など家事事件

経歴

昭和63年に弁護士登録後、神戸市の事務所勤務を経て、平成4年に藤井義継法律事務所を開設。相続、離婚、不動産トラブルなど、家事・民事事件を多く取り扱う。 弁護士会の活動として、神戸地方裁判所鑑定委員や神戸地方法務局筆界調査委員を経験。平成16年には兵庫県弁護士会副会長も経験している。 弁護士歴30年以上、相続問題解決実績250件以上の豊富な実績があり、相続問題の早期解決を得意としている。 詳しい弁護士紹介はこちら>>