相続の悩みを、どのタイミングで、誰に相談すべきか
1.いつ(どのタイミングで)相談すべきか
相続の相談を弁護士に相談するタイミングについて、
「弁護士に相談すると、そのまま依頼をしないといけない・・・」
「弁護士に相談するのは、調停や裁判になってしまったとき・・・」
このようなイメージをお持ちではありませんか?しかし、そのご心配は不要です。
弁護士は、調停や裁判などの司法手続に対応できる唯一の資格者ですが、一方でご依頼者様の代理人として、双方の利害を調整し、話し合いによる解決に導くことが仕事です。
実際、当事務所でも、依頼を受けた中で、裁判まで至ってしまう案件は、半分よりも少ないです。
また、裁判間近になると、双方、不信感が最高潮に高まっており、スムーズかつ合理的な解決が難しくなっていきます。
ですので、「他の相続人と考え方が合わない」「話し合いが進まない」と感じたときが、最初のご相談のタイミングといえます。
過去の事例として、他の相続人の主張が法律上、妥当なのか知りたい、という方がご相談にお越しになり、当事務所の弁護士から見解をお伝えしたところ、他の相続人も「弁護士の意見であれば・・・」と納得したようで、解決に至った、ということがありました。
一般に相談をしたほうがいいタイミングの例として、以下のようなシチュエーションが考えられます。
相談をしたほうがよいタイミングの例
① 億を超える遺産のあるとき(不動産を含みます。)
被相続人が亡くなった直後から相談しておかないと、相続税申告間際になって、税理士の作成した先方に有利な分割協議書に押印をせまられることが多いです。
② 遺言書があるとき(特に公正証書遺言)
遺言書は、法定相続分と異なる内容のことが多く、特に公正証書遺言は、他の相続人よりたくさんもらおうとする相続人が高齢の被相続人をそそのかして作成した不合理なものが多く、遺言無効の主張の準備や遺留分請求権を行使する必要があります。
③ 他の相続人との仲が悪い、相性が悪いと感じているとき
④ 他の相続人の連絡先が分からないとき
⑤ 他の相続人が返事をくれないとき(もしくは何を考えているのかわからないとき)
⑥ 他の相続人が自分抜きで、勝手に遺産分けの話を進めていると感じるとき
⑦ 予想していたよりも明らかに遺産の額が少ないとき
⑧ 遺言があると聞いていたが出てこないとき(もしくは、聞いていた話と違う内容の遺言が出てきたとき)
2.誰に相談すべきか?
(1)司法書士ではなく弁護士に相談すべき理由
司法書士は、不動産の名義変更(登記手続き)を行います。
相続人間の利害の調整(例えば遺産分割協議)には関与できず、当事者の代理人として行動することもできません。相続人間で合意した内容をもとに、相続した不動産の登記手続を行います。
(2)税理士ではなく弁護士に相談すべき理由
税理士は、相続税申告、準確定申告などの税務申告業務を行いますが、司法書士と同様、相続人間の利害の調整には関与できませんし、一当事者の代理人として行動することもできません。相続人間で合意した内容をもとに、相続税などの税務申告を行います。
(3)弁護士に相談すべき理由
そして、弁護士は、他の資格者と異なり、あなたの代理人として他の相続人と交渉、調停や裁判に出席できる専門家です。
弁護士は、相続に関する交渉・調停・裁判、いずれの経験も豊富です。相続の困りごとはまず弁護士にご相談いただければ、全体的・大局的な視点も踏まえて、アドバイスをすることが可能です。また、必要に応じて、司法書士、税理士につなぎ、相続の登記手続、相続税申告などを対応いただくことも可能です。
相続開始直後、全員の意見が出揃わない段階では、すんなりと話がまとまるのか、そうでないのかは、誰にもわかりません。万が一紛争化した場合も考えて、まず弁護士にご相談されるのが最も確実であり、安心であると考えます。紛争を望まない方には、できるだけ紛争にならないように一緒に考えていきます。
3.どの弁護士に相談すべきか?(相続問題における弁護士選びのポイント)
相続分野は、人間関係から不動産、金銭、証券など多岐にわたる論点を扱うため、相続事件を数多く解決した弁護士には様々な事件に対応できるノウハウがある一方で、経験の少ない事務所では依頼者の方にとって、最善の提案ができないおそれがあります。また、場合によっては無用に紛争を拡大させ、解決まで多くの時間を費やすおそれもあります。
あまり知られていないことですが、一般の弁護士にとって相続問題の依頼を受ける機会は多くありません。
現在、当事務所では年間70件以上の相続問題の相談をお受けし、年間10件近い相続に関連する事件を受任しております。
当事務所は相続事件の実績が豊富にありますので、安心してご相談ください。
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