解決事例(遺産分割 二次相続 共有物分割 昭和61年に死亡した母の相続を37年後に解決した事例)
- 昭和61年同居の母死亡
相談者の自宅土地建物(母の相続として子の兄弟4人で相続登記)
平成22年兄弟の1人(被相続人)死亡妻子なく、相談者と兄弟2人が相続人
相談者Aさん
被相続人との関係:弟
争点:自宅土地建物の価格
相談者が他の兄弟にした援助
相談者が建物を増築したり、改修のため支出した費用
被相続人の預金の使い込み
- 弁護士へ相談にいたった背景
Aさんは、被相続人の死亡後、自宅で一人暮らしでしたが、結婚したことから、自宅を妻に相続させるため、相続手続をすることにしました。
自分で家庭裁判所に遺産分割調停の申立に行ったところ、裁判所は、自宅土地建物に兄弟の相続登記がなされていたので、遺産分割でなく、審判しなくてよい親族間のトラブルの調停として受付けました。
調停で他の兄弟2人と話ましたが、兄弟に渡すお金について折り合いがつかず、不調となり、
当事務所にご相談になりました。
- 弁護士の関わり
当事務所にご相談頂き、当職が代理人として、調停が不調となった場合裁判所が審判しなければならない被相続人兄の遺産分割調停と、相続登記がなされた兄弟分は一般調停である共有物分割調停の申立を一緒に家庭裁判所にする必要があることが判明しました。
- 弁護士が代理人になった結果
兄の遺産分割調停と他の兄弟の共有物分割調停を家庭裁判所に申立、Aさんと他の兄弟に支払代償金について協議しました。
その他調停の材料として、Aさんが独身時代に他の兄弟にした援助
建物に投下した増築費用や改修費用
も代償金減額理由として主張しました。
- 相手方が弁護士を選任
相手方は弁護士を選任し被相続人の銀行を調査し、被相続人の預金があり、Aさんの使い込みの主張をしました。Aさんは兄の名義を借りただけで自分の預金と主張しました。
- 調停成立
代償金は、1人250万円
代償金について相手方の主張は、
調停前 1人500万円でした。
当方はこれに対し、建物への資本投下と相手方らに対する従前の援助を主張しましたが
調停委員より
建物への投下資本は、建物の査定価格を上回らず、建物の査定額で評価されている。
援助については他の兄弟は援助で代償金には無関係と主張している。
双方査定書と当方は不動産鑑定も提出した結果
調停委員会から1人250万円合計500万円の調停案が出、これを双方受諾し、代償金1人250万円で、相談者の単独名義とすることができました。
- 所感
相談者はこれまで兄弟にたくさん援助をしてきたのですが、兄弟はこれを別問題としました。結局、預金の使い込みについては考慮せず、自宅土地建物の単独相続と分割の代償金としての話となり主張した意味はあったと思います。
査定額 1034万円(相談者)
私的鑑定額 1104万
査定額 1836万円(相手方)
結論としては、相談者の査定額の3分の1を下回る1人250万円の代償金で解決できました。
不調となった場合、裁判所が審判をしなければならない遺産分割調停として申し立てたことが解決につながりました。
物件の評価については調停委員も当方の案に従い適正な評価ができました。
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この記事の執筆者
弁護士 藤井義継
専門分野
相続・離婚など家事事件経歴
昭和63年に弁護士登録後、神戸市の事務所勤務を経て、平成4年に藤井義継法律事務所を開設。相続、離婚、不動産トラブルなど、家事・民事事件を多く取り扱う。 弁護士会の活動として、神戸地方裁判所鑑定委員や神戸地方法務局筆界調査委員を経験。平成16年には兵庫県弁護士会副会長も経験している。 弁護士歴30年以上、相続問題解決実績250件以上の豊富な実績があり、相続問題の早期解決を得意としている。 詳しい弁護士紹介はこちら>>- 遺留分1億円
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