自宅不動産を取得したいけれど、多額の代償金を払いきれない。

金融機関から、不動産担保ローンで代償金を借り入れ支払う方法があります。

 銀行、ノンバンク等ありますが、まず金利の安い銀行で相談してみましょう

 

融資を活用した代償分割の問題点

① 融資は借金である

 非常に当たり前の話ですが、融資を受けると言う事は、借金をすると言う事です。

 

 毎月の支払いが出来れば良いのですが、支払いが滞ってしまいますと、最悪は自宅が競売にかけられてしまい、せっかく相続したご自宅を手放す事になるかもしれません。

 

 そのリスクを負ってでも融資を受けるのかを、慎重に考えるべきです。

 

② 借金は相続される

 あなたが生きている間に全額を返済出来れば良いのですが、残債務を残したまま亡くなった場合、相続人がその借金の対応を行わなくてはいけません。

 

 借金を相続人固有の財産で支払うのか、それとも相続放棄するのか、等いろいろと対応方法はあるのですが、残された相続人に迷惑をかける事は間違いありません。

 

③ 借金には利息がある

 これも当たり前なのですが、それでも利息の事を甘くみている方が多いのが現状です。

 

 例えば、1,500万円を年利1%、毎月10万円返済した場合、最終的に支払う利息はいくらかお分かりになりますでしょうか?

 

 その利息の合計は100万円以上です。

 

 つまり、利息を支払うと言う事は、将来のあなたの収入から、この100万円以上のお金が消える事と同じ意味なのです。

 

 借金を分割で返済していくと月々の負担はさほど感じないかも知れませんが、利息を支払う=ご自分の財産が減ると言う事をご理解下さい。

 

まとめ

 このように借金をする事(特に代償分割の代償金のような大きな金額の借金)は、非常にリスクが高い行動と言えます。

 

 本当に融資が必要なのか、自称相続コンサルタント、自称相続専門家の話に振り回されないで、慎重に検討すべきです。

 

 場合によっては、遺産の自宅を売却して、その資金で自宅を購入することも検討しましょう。

 

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この記事の執筆者

弁護士 藤井義継

弁護士 藤井義継

専門分野

相続・離婚など家事事件

経歴

昭和63年に弁護士登録後、神戸市の事務所勤務を経て、平成4年に藤井義継法律事務所を開設。相続、離婚、不動産トラブルなど、家事・民事事件を多く取り扱う。 弁護士会の活動として、神戸地方裁判所鑑定委員や神戸地方法務局筆界調査委員を経験。平成16年には兵庫県弁護士会副会長も経験している。 弁護士歴30年以上、相続問題解決実績250件以上の豊富な実績があり、相続問題の早期解決を得意としている。 詳しい弁護士紹介はこちら>>