遺言の書き直しはできますか?

相続についてのご質問

遺言の書き直しはできますか?

何度でもできますが、遺言の方式にしたがって行う必要があります。遺言の書き直しは遺言でするしか方法がないのです。

前の遺言内容を全て撤回して、新しい遺言を作りたい

前の遺言が自筆証書遺言であれば、それを処分して、新しい遺言を作成します。

前の遺言が公正証書遺言の場合には、公証役場に依頼しても遺言を処分することはできないため、新しい遺言を作るしかありません。この新しい遺言は公正証書遺言でなくとも、自筆証書遺言であっても有効です。

ただし、自筆証書遺言は死後、相続人に発見されなかったり、紛失する危険があるため、信頼できる人に預けるか、法務局の自筆証書遺言保管制度のご利用をおすすめします。

遺言書の保管について>>

前の遺言の一部だけを修正したい

例えば、「子Aに不動産を、子Bに預貯金と現金を相続させる」という旧遺言を作成した後、「孫Cに現金を遺贈したい」と思った場合には、新しい遺言に「Cに現金を遺贈する」旨だけ書けば十分です。

新しい遺言により、旧遺言のうち「子Bに現金を相続させる」という部分だけが撤回され、「Cに現金を遺贈する」という内容が新たに遺言の内容として追加されたことになります。

新しい遺言を作成した場合、新しい遺言と矛盾する古い遺言の箇所だけが撤回されたとみなされ、その他の古い遺言は以前有効なものとして扱われます。

もっとも、死後に、Bが新しい遺言は無効だと主張して争いとなる可能性があるため、新しい遺言に内容を変更した理由を書いておいたり、公正証書遺言にしておくことをオススメします。

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この記事の執筆者

弁護士 藤井義継

弁護士 藤井義継

専門分野

相続・離婚など家事事件

経歴

昭和63年に弁護士登録後、神戸市の事務所勤務を経て、平成4年に藤井義継法律事務所を開設。相続、離婚、不動産トラブルなど、家事・民事事件を多く取り扱う。 弁護士会の活動として、神戸地方裁判所鑑定委員や神戸地方法務局筆界調査委員を経験。平成16年には兵庫県弁護士会副会長も経験している。 弁護士歴30年以上、相続問題解決実績250件以上の豊富な実績があり、相続問題の早期解決を得意としている。 詳しい弁護士紹介はこちら>>