遺産分割調停を申し立てられてしまった場合
遺産分割調停を申し立てられるとどうなるか
遺産分割協議を進められているときに、突然、遺産分割調停の申立を受けた旨が記載された文書が裁判所から届く場合があります。
その場合でも、無視をせず、または焦って性急な対応をせずに、弁護士にご相談ください。特に、当事務所の相続に積極的に取り組んでいる弁護士は、そのような遺産分割調停を突然申し立てられてしまった方の対応の経験があるため、安心してご相談いただけます。
調停は話し合いの場ですので,柔軟に早期の解決を図ることができたり,予想以上に相手方から譲歩を引き出すことができたりする場合もあります。他方で審判では,もはや対立関係が深刻となってしまい,そのようなことが望めないことも少なくありません。
遺産分割調停の申し立てをされたことがわかるタイミング
遺産分割調停の申し立てをされると、下記のような書類が届きます。
① 調停期日の通知書
② 申立書の写し
③ 進行に関する照会回答書
④ 証拠の写し
上記の中でも、進行に関する照会回答書には必ず記入し、裁判所に返送しなければなりませんので注意してください。
調停の期日を欠席するとどうなるか
遺産分割調停の申立てを無視して、期日を欠席するとどうなるのでしょうか。
予定されていた調停期日は開かれずに不調となり、審判手続に移行することになります。但し、一回欠席しただけで直ちに不調とせず、もう一度、調停期日を指定する運用を行っている裁判所が大半です。
もし、裁判所の指定する調停期日にどうしても出席できない場合は、期日の延期希望や2回目の期日について希望を提出し、調整を希望することが可能です。また、裁判所が遠方の場合やご高齢で裁判所への出頭が難しい場合については、弁護士を代理人に選任することや電話会議システムの導入を検討しましょう。
遺産分割調停を有利に進めるために
では、遺産分割調停を有利に進めていくために、当事務所の弁護士から調停期日の流れやポイントを解説いたします。
遺産分割調停期日の流れ
初回の調停期日については、裁判所から指定されます。期日には、裁判所に出頭し、調停委員に主張を伝えていくことになります。
裁判所には遺産分割調停の申し立てをした申立人を含めた他の相続人も集まりますが、調停委員に主張を伝える時は調停委員と1対1で伝えることになり、また調停委員に話す以外の時間は控室で待機することになりますが、その控室も申立人とは別のなので、遺産分割調停の申立人と相手方が裁判所で顔を合わせることはありません。相手方の中で控室で同席したくない人がいる場合は裁判所に申し出て別の控室にしてもらいます。
※初回と最終回のみ、当事者全員に手続内容等を説明するため顔を合わせる場合があります。
前述の通り、通常は調停期日を積み重ねて調停の成立を目指していきます。全相続人が納得し、調停がまとまると、調停調書が作成され、それが債務名義と言って強制執行もできるような法的効力を持つ文書になります。調停が成立した以上は、調停調書通りの遺産分割をせざるを得なくなりますので、注意が必要です。
有利に進めるために気を付けること
遺産分割調停を有利に進めるためには、担当裁判官に納得してもらえるように、あなたの権利を最大限確保できる法的主張を丁寧に組み立て、証拠を提出することが重要になります。
法的主張について、相手方と対立がある場合や相手方の法的主張が誤っている場合は、文献や裁判例を添付して、担当裁判官を説得する必要があります。調停委員は法的問題や事実認定については、素人ですので、担当裁判官に相談し、担当裁判官の意見に従うからです。
その際、調停がまとまらずに審判(後述)に移行することを見据えながら対応することが重要です。
なぜなら、調停を進める調停委員をとりまとめる裁判官は、審判を担当する裁判官ですので、調停時に不利になっている場合に審判で不利な状況を打開するのは難しいことが少なくないからです。
他の相続人の特別受益(生前贈与等)
寄与分(被相続人の遺産形成や療養看護に貢献した相続人の寄与分)を定める調停の申立です。寄与分の療養看護については、要介護2以上で在宅介護であることがひとつの要件となっています。
特別受益や寄与分がある場合は、早めにこの事実を弁護士に伝え証拠(被相続人の確定申告書、介護認定記録)を集めて提出することが必要です。
遺産分割調停の代理人を依頼するメリット
調停では法的知識を非常に強く要求される点、調停委員を介した交渉が大変である点から、調停の段階で弁護士に依頼するメリットは大きいでしょう。
調停を有利に進めるためには、いかに担当裁判官に納得してもらえるように、証拠を用い、主張を組み立てるか、ということが重要になります。
また、先述の通り、審判に移行することを想定して、主張を組み立てることが重要となり、法的主張について、相手方と対立のある場合は、文献や裁判例を提出して、担当裁判官を説得する必要があります。
そのような主張の組み立てについては弁護士が熟知しているので、よほどご自身の法的知識が豊富で、交渉力に自信がない限りは、弁護士に依頼されることをおすすめいたします。
遺産分割審判とは
調停が不調になると審判に進展する
遺産分割の調停で遺産分割に関する全相続人の意見が1つにまとまらない(これを調停の不調と言います)場合、自動的に審判手続きに移行します。遺産分割審判は、調停同様に1か月から2か月に1回のペースで、通常1~2年、長ければ3年以上かかります。
調停と審判の違い
遺産分割調停では、調停委員が双方の主張を聞き、調停が成立できるように、相続人間で合意形成をするためのサポートを進め、調停が成立すると調停調書が作成され、強制執行もできるような法的効力を持つ文書となります。
遺産分割審判では、裁判官が、双方の主張を聞いたうえで、審判(決定)を下します。審判で下された決定は法的強制力をもち、決定内容には原則従わなければなりませんが、家庭裁判所の審判に不服がある場合は、2週間以内に高等裁判所に即時抗告できることは後記のとおりです。
審判終了後の流れ
審判が終了すると、原則としては審判に従って、相続手続を進める必要があります。
具体的には、預貯金の解約手続、不動産がある場合は不動産の名義変更手続、財産の分配作業等があります。
これらの相続手続を怠ると、後々の相続手続、特にあなたの死後や共同相続人の死後の遺産分割で非常に苦労することになりますので、確実に進める必要があります。
もし審判に不服がある場合は、2週間以内に「即時抗告」する必要があります。なお、即時抗告には、審判に対する不服を法律問題に関する不服、事実認定に対する不服を要領よく整理してまとめて主張し、証拠や裁判例や文献も調査して追加する必要があり、その内容を作っていくには法的な専門知識が必要になるため、できるだけご本人ではなく、法律の専門家に依頼したほうが良いことが多いです。
サポート内容
当事務所では遺産分割調停を突然申し立てられてお困りの方に、弁護士より最適なサポートを提供させていただいております。
初回60分無料相談
当事務所では、相続の相談について、初回60分を無料とさせていただいております。
不動産の遺産分割について、あなたの不安点を親身にヒアリングさせていただき、弁護士が相続の不安点を解消できるように、ご提案させていただきます。
気になることや不安なことがあれば、ささいなことでもお気軽にご相談ください。
遺産分割調停へ依頼者の代理人として出廷
遺産分割調停の期日に、依頼者の代理人として裁判所に出頭、依頼者の主張を調停委員に伝えながら、依頼者にとって、有利に進められるように対応いたします。
なお、どのように主張されたいのか、事前に打ち合わせをさせていただきます。また、その際に必要な証拠となる資料をご用意いただくこともございますが、基本的には弁護士があなたの主張したいことをお伺いの上で、調停委員に伝わるように整理し、もし主張を通すことが難しい場合は妥協案についてもご提案させていただきます。
審判移行時のサポート
遺産分割審判では、法律に基づく主張が重要となります。そのため、できるだけご本人1人で審判に対応するのではなく、法律の専門家に依頼したほうが良いことが多いです。
特に、審判まで進展した場合に、自分の希望を実現するための法的主張をしっかり組み立てるには、弁護士とやりとりすることが重要となります。
相続に積極的に取り組む弁護士は、そういった遺産分割審判においての法的主張の組み方を熟知しているとともに、法律的に重要な事実を見落とさないように、確実に把握して、依頼者の希望を実現できるよう進めることが可能です。
弁護士による相続の無料相談実施中!
藤井義継法律事務所では、初回相談は60分無料となっております。
相続する人・財産を知りたい方 相続手続きを誰かにお任せしたい方
遺産の分け方に困っている方 納得できない遺言書が出てきた方
子どもを困らせないために遺言作成や家族信託などを検討している方 相続放棄をしたい方
などのニーズに、弁護士歴30年以上の実績豊富な弁護士を含めた男性・女性の弁護士がお応えいたします。
当事務所への無料相談のお申し込みは、078-362-2411にお電話いただくか、お問い合わせフォームよりご連絡ください。